限界を超えてしまった人と、向き合っていた
救急救命士として働いていた頃、私が向き合っていたのは、 すでに限界を超えてしまった人たちでした。 搬送されてくる方の中には、働き盛りの方も少なくありません。 その場でできることを尽くしながら、 「もっと手前で、何かできなかったのだろうか」という思いが、いつも残っていました。
施術の世界へ移り、店舗と人を育てる立場になった
その後、美容・施術の業界へ移りました。 自分の手で人の体に触れ、状態が変わっていく過程を見る仕事です。 やがて店舗の運営や、施術者の育成にも携わるようになりました。 技術を教えることと、人が続けられる環境をつくることは、まったく別の仕事だと知ったのもこの時期です。
自分自身が、働けなくなった
そして私自身が体調を崩し、仕事を離れることになりました。 振り返れば、兆候はずっと前からありました。 それでも「まだ大丈夫」「今は忙しいから」と過ごしているうちに、 気づいたときには、これ以上は続けられないところまで来ていました。
このとき初めて理解したのは、 疲れている人ほど、休むための行動を取れないということでした。 予約をして、移動して、時間をつくる。 その一連の手間は、余力のある人にしか支払えません。 いちばん必要としている人に、いちばん届かない構造になっていたのです。
それなら、こちらから行けばいい
答えは単純でした。休む場所へ行けないのなら、休む時間の方が職場に来ればいい。 着替えも移動も必要なく、いつもの会議室で、15分だけ目を閉じる。 それくらい手間が小さくなければ、忙しい人には届きません。
企業専門・訪問型ドライヘッドスパという形は、そうして決まりました。 施術そのものを目的にしていないのは、この経緯があるからです。 目指しているのは、働く方が自分の疲労に気づき、 「休んでもいいのだ」と思える職場をつくることです。
